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オーダー品は、一品生産なのでコスト高になる反面、住み手の条件に合ったものとなる。 ただ、ここで注意しなくてはならないのは、「プレハブ住宅は安い」という通念は誤解であり、迷信であるということだ。
というのは、プレハブ、工場生産、大量生産、マスプロは安くなる、というような論理は住宅には通用しないことで、良質、高性能のものはプレハブといえども決して安くない。 イージーオーダーの洋服であろうと、よい生地でていねいに仕上げてあれば、注文服より高くなるのと同様である。

プレハブ住宅に関しては、この点を心得ておかなければ不満ばかり出てくる。 したがって、ユーザーとしては、マスプロを目ざすプレハブ住宅の、住居としての限界と選択範囲を心得ておく必要があろう。
窓の位置の変更とか、開口部をより大きくとるということは、量産の現場ではたいへんな労力とコスト高につながってくる。 せいぜい色の選択、材質の選択などにとどめるべきであろう。
プレハブ住宅は、特別注文をしないかぎり、数種類の標準タイプがあって、その中から、条件に合ったものを選択することになる。 画一的であることは、プレハブ住宅の宿命であるが、その与えられた無色透明な空間を、自分のカラーで染めていくのが上手な住み方といえる。
しかし、無表情なところ、無性格なところが、かえって自分のために残されたフィニッシュの部分と考えられないこともない。 たしかに、材質そのものによって演出される空間は、建築美のひとつの構成要素であるが、プレハブ住宅にはこれが期待できないので、家具、カーテン、じゅうたん、その他のインテリアの小道具にたよる必要がある。
プレハブ住宅に住むには、センスと工夫が要求されるといえるのではなかろうか。 1975年に日本建築学会は「ツーバイフォー」工法のやみくもな輸入に対して警告を発するアピールをした。

「ツーバイフォー」という名は、その工法に用いる木材モジュール(基準寸法)が2インチ×4インチなので、この名があるわけだが、その源をたどれば、これはアメリカ西部の開拓民の住宅建築に貢献した画期的な工法である。 19世紀のはじめ、東部からの開拓民がぞくぞく入植する西部で、ピストルは撃てても大工仕事などできない連中にも家が建てられる工法として発明された。
クギとカナヅチでトンカントンカンやっていれば、あっという間に家が建つインスタント工法である。 この工法が発明されて、開拓民たちの住宅建築は大いに促進されたのだが、悲しいかな、それまでのレンガづくりの家とちかって土台も弱ければ、横風にも弱い。

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